血液凝固第VIII因子に対するインヒビター保有の患者が対象
中外製薬株式会社は7月21日、血友病Aを対象に開発中の抗血液凝固第IXa/X因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「エミシズマブ」(開発コード:ACE910)に関して、「血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を予定効能・効果として、厚生労働省へ製造販売承認申請を行ったと発表した。
今回の承認申請は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビター保有の先天性血友病A患者を対象に、ロシュ社、ジェネンテック社と共同で実施した第3相国際共同試験のHAVEN 1試験(NCT02622321)の結果、HAVEN 2試験(NCT02795767)の中間解析結果によるもの。HAVEN1試験は、青年期/成人の患者(12歳以上)、HAVEN2試験は小児の患者(12歳未満)を対象として、エミシズマブを週1回定期的に皮下投与した際の有効性、安全性、薬物動態の評価を目的にそれぞれ実施したという。
第VIII因子の補因子機能を代替するバイスペシフィック抗体
エミシズマブは、同社独自の抗体改変技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体。活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常が生じている第VIII因子の補因子機能を代替する。
同剤は2016年8月、「インヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を対象に、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けた。2015年9月には、「12歳以上で血液凝固第VIII因子のインヒビターを保有する血友病A患者に対する予防投与療法」として、米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬に指定されている。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース