薬剤師が医師の診察前に外来患者に面談する“薬剤師外来”の実施によって、経口抗癌剤S-1による胃がん術後補助化学療法の完遂率が大きく向上したことが、大垣市民病院薬剤部の調査で明らかになった。副作用による離脱が大幅に減少し、実施前は39.4%だった治療完遂率は、実施後は82.5%に大きく高まった。薬剤師外来は各地の病院に広がりつつあり、その効果の一端が目に見える形で示された。
同院は2013年から薬剤師外来を開始し、14年から経口抗癌剤S-1を服用する患者を対象に加えている。調査では、14年11月から16年3月に同院でS-1による胃がん術後補助化学療法を実施し、薬剤師が外来で介入した患者40人を薬剤師外来群に設定。薬剤師外来を実施前の12年9月から14年10月に術後補助化学療法が実施された患者94人をコントロール群とし、両群の治療完遂率などを比較した。