2剤療法との比較で死亡リスクを21%軽減
Amgen社(アムジェン社)は7月12日、再発の多発性骨髄腫を対象とした「Kyprolis(R)」(一般名:カルフィルゾミブ)の第3相ASPIRE試験の最終解析の結果で、肯定的な結果が得られたと発表した。
主要な副次評価項目の全生存期間(OS)に関する解析の結果、Kyprolis・レナリドミド・デキサメタゾンの3剤併用療法(KRd)のOS中央値が48.3か月であったのに対し、レナリドミドとデキサメタゾンの2剤併用療法(Rd)は40.4か月([ハザード比=0.79、95%信頼区間:0.67-0.95])と、死亡リスクを21%軽減した。プロトコールに基づき、患者はKyprolisとRd併用療法の投与を18サイクル受け、病勢進行までRd療法を継続したという。
最新解析で認められた有害事象は、これまでにASPIRE試験で報告されたものと一貫していたという。Kyprolis 群で最も共通した(20%以上)有害事象は、下痢、貧血、好中球減少症、疲労、上気道感染、発熱、咳嗽、低カリウム血症、血小板減少症、筋痙縮、肺炎、鼻咽頭炎、悪心、便秘、不眠症、気管支炎だった。
小野薬品工業が日本での独占ライセンス契約を締結済み
Kyprolisを週2回、27mg/m2を投与するKRdの併用療法は、ASPIRE試験の無増悪生存期間(PFS)の解析に基づき、現在、米国、欧州連合、日本などの国々で承認されている。
なお、小野薬品工業株式会社は2010年9月に、アムジェンの子会社であるオニキス社と、オニキス社のプロテアソーム阻害剤の開発プログラムにおける2つの化合物、Kyprolis・oprozomibについて、全がん腫を対象に日本での開発・商業化する独占ライセンス契約を締結。2016年7月には、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、Kyprolis、レナリドミド、デキサメタゾンとの3剤併用療法で国内製造販売承認を取得し、同年8月に発売した。また、2017年5月に、Kyprolisとデキサメタゾンとの2剤併用療法で、Kyprolisを1サイクル目の1および2日目のみ20mg/m2、それ以降は56mg/m2を点滴静注する用法・用量についての製造販売承認事項一部変更承認を取得している。
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・小野薬品工業株式会社 ニュースリリース