ギリアド・サイエンシズは12日、同社が製造販売するB型肝炎治療薬「ベムリディ錠25mg」(一般名:テノホビルアラフェナミドフマル酸塩)について、中国で包装表示や製品ボトルのラベルが日本語で記載された偽造品が確認されたと発表した。現段階で日本においてベムリディの偽造品は確認されておらず、偽造品の服用による健康被害も報告されていないという。厚労省は、偽造品を発見した場合は、流通させたり調剤することなく、保健所や都道府県などに相談するよう関係者に注意喚起した。
ベムリディ錠の正規品は、箱に封緘シールが開封口とは別の箇所についており、開封したことが分かる仕様になっているほか、箱の側面に製品名の記載がある。また、ボトルは14錠入りで、ボトルのフタはチャイルドレジスタンス機能がついているのが特徴。ボトル本体は白、フタは青色をしており、ボトル内の内ブタであるインダクションシールはつまみのない白い円形で、端から剥がし取る仕様になっている。スプーンの柄などで内ブタを破ることはできない。
さらに、錠剤の外観は丸い黄色のフィルムコーティング錠で、大きさは直径8mm、厚さ4mm、重さ208mgとなっている。
これに対して、ベムリディ錠の偽造品は、箱に封緘シールがなく、ボトルのフタがオレンジ色で、チャイルドレジスタンス機能がついていないキャップになっている。また、側面に製品名の記載がなく、不自然に空白があるほか、開封口のミシン目の作りが雑であることやラベルに正規品とは異なる書体が使用されていること、錠剤の外観が白色であるのが特徴である。
同社は、現段階で日本においてベムリディ錠の偽造品は確認されていないとしている。厚労省は、偽造品が中国で発見されたことを受け、今後も別の形態の偽造品が発見される恐れがあることから、偽造品を発見した場合は錠剤の外観にかかわらず、流通させたり調剤や内服をしないよう関係者に注意喚起した。