悪性神経膠腫を対象にP2試験を実施中
第一三共株式会社は7月11日、がん治療用ウイルス「G47Δ(デルタ)」(DS-1647)が悪性神経膠腫を対象として、希少疾病用再生医療等製品に指定されたと発表した。
G47Δは、東京大学医科学研究所の藤堂具紀教授らより創製された第三世代遺伝子組換え単純ヘルペス1型ウイルス。現在、同社と藤堂教授が共同開発を行っている。悪性神経膠腫をはじめ、複数のがん腫を対象として開発が進められており、今回の指定は、第2相臨床試験(医師主導治験)を実施中の悪性神経膠腫を対象としている。
神経膠腫は、神経細胞の支持組織であるグリア細胞から発生する原発性脳腫瘍。病理組織学的所見に基づきgrade1~4に分類されており、国内の罹患数は年間5,000人程度と推定されている。中でも悪性度が高いgrade3(退形成性星細胞腫や退形成性乏突起神経膠腫など)とgrade4(膠芽腫)は悪性神経膠腫と呼ばれ、罹患数は同3,500人程度と推定される。
がん細胞でのみ増殖する設計の遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型
G47Δは、がん細胞でのみ増殖可能となるよう設計された、人為的三重変異を有する制限増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型(第三世代がん治療用単純ヘルペスウイルス1型)。現在、複数のがん治療用ウイルスの開発が行われており、非臨床試験・臨床試験で、すでに高い安全性や有効性が確認されているという。
なお、G47Δは2016年2月10日、第一三共と藤堂教授との共同申請により、医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。
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・第一三共株式会社 ニュースリリース