治験薬の用量評価や治験対象患者の選別などに有用なPET
日本メジフィジックス株式会社は7月11日、iPS細胞を応用した移植治療の効果および安全性を評価するために必要なPET診断薬の製造検討に関する共同研究契約を京都大学と締結したことを発表した。
PETによる画像診断は、治療薬の治験において治験薬の用量評価や治験対象患者の選別、治験薬の有効性および安全性の評価に有用な技術とされている。日本メジフィジックスが40年以上にわたる放射性医薬品の開発や製造、供給で培った経験とインフラを有効活用することで、同社の治験薬の製造管理、品質管理等に関する基準(治験薬GMP)に準拠するPET診断用治験薬の製造供給が可能であることから、今回の共同研究契約の締結に至ったという。
パーキンソン病を対象とした臨床試験でのPET診断薬の有効活用を目指す
今回の共同研究は、同社の治験薬GMPに準拠してPET診断薬の製造及び品質試験法の最適化を行うもの。将来的に京都大学が計画しているパーキンソン病に対するiPS細胞由来ドパミン神経細胞移植治療の臨床試験でのPET診断薬の有効活用を目指す。
パーキンソン病に対するiPS細胞由来ドパミン神経細胞移植治療の臨床試験では、移植した細胞が正常に機能しているか、拒絶反応が起きていないかなど、移植細胞や移植された周辺の組織の状態を精密に確認することが求められる。京都大学iPS細胞研究所の髙橋淳教授らは、動物を用いた試験においてiPS細胞を応用した細胞移植治療の有効性および安全性を示しており、PETによる画像診断が細胞移植の効果を評価する方法として有用であると報告している。
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・日本メジフィジックス株式会社 ニュースリリース