海外の大規模臨床試験の結果を受け、同社が厚労省に要望
ファイザー株式会社は7月7日、禁煙補助薬「チャンピックス(R)錠」(一般名:バレニクリン酒石酸塩錠)0.5mg・同1mgについて、日本の添付文書の【警告】が削除されたことを発表した。
チャンピックスは、日本国内においては「ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助」の効能・効果で、2008年1月に承認され、同年5月に発売を開始。現在100を超える国で承認されており、世界中で2400万人以上に処方されている。
今回の【警告】の削除は、2016年に「The Lancet」に掲載されたEAGLES試験の結果を受け、同社が厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課に要望。薬事・食品衛生審議会 (医薬品等安全対策部会安全対策調査会)での議論を経て、削除に至ったという。
精神神経系に関する注意喚起は、別項に引き続き記載
今回削除された【警告】の記載内容は「禁煙は治療の有無を問わず様々な症状を伴うことが報告されており、基礎疾患として有している精神疾患の悪化を伴うことがある。本剤との因果関係は明らかではないが、抑うつ気分、不安、焦燥、興奮、行動又は思考の変化、精神障害、気分変動、攻撃的行動、敵意、自殺念慮及び自殺が報告されているため、本剤を投与する際には患者の状態を十分に観察すること[「重要な基本的注意」の項参照]」というもの。
なお、【警告】は削除されたが、それ以外の同剤の添付文書本文の記載に変更はない。精神神経系に関する注意喚起については、国内副作用の状況等を踏まえ「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項において引き続き記載している。