■不適切問題以外に誤りも
日本私立薬科大学協会は、第102回薬剤師国家試験の検討結果について報告書をまとめた。国試に関しては、前回に比べ新卒者でほぼ同程度の合格率が達成されたとし、「難易度は適切で良問が多かった」と総括した。また、受験者全員が正解扱いとなった不適切問題以外に誤りがあると判断された問題が5問あったと指摘。これらの問題出題に当たっては、内容や表現を訂正するよう厚生労働省に求めた。
報告書では、今年2月25日と26日に実施された第102回国試の合格率について、「合格率が以前の水準に回復したと言われた前回の国試と比べ全体の合格率は減少したが、新卒者ではほぼ同程度の合格率が達成された」との認識を示した。
その上で、「概ね標準的な問題が出題されており、難易度は適切で読解力、思考力、応用力を問う良問が多かった」と総括。第103回国試でも同じレベルの出題を厚労省に求めた。
実践問題については、一部問題の状況設定にやや無理があったり、複合性の低さが指摘されたとしつつ、前回よりも改善されていると評価。ただ、解く順番によって難易度が変化する問題があるとし、継続して改善するよう求めた。
複合問題については、「病態・薬物治療」と「薬理」領域の連問である複合問題を新たな試みと評価した。
一方、第102回国試でも、厚労省が不適切問題と公表した問題以外に、誤りがあると判断された問題があったと指摘した。さらに、「物理・化学・生物」「衛生」「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」「法規・制度・倫理」「実務」の問題で、特に改善を要望する内容で指摘したものの中には、誤りに近いものもあると指摘。今後、これら問題の出題に当たっては、内容や表現を訂正するよう厚労省に求めた。