多数の臨床分野向け遺伝子検査を提供するAG社
コニカミノルタ株式会社と株式会社産業革新機構は7月6日、米アンブリー・ジェネティクス社(AG社)の買収に関する契約を締結したと発表した。
AG社は、最先端の遺伝子診断技術を持ち、診断を目的としたエクソーム解析試験をはじめ、遺伝性および非遺伝性の腫瘍、心臓疾患、呼吸器疾患、神経疾患など多数の臨床分野向け遺伝子検査を提供している。カリフォルニア州に所有する大規模ラボで、すでに100万件を超える遺伝子検査の実績を持ち、500種の遺伝子での4万5,000以上の突然変異を特定している。
契約締結手続き完了後に8億米ドルを支払い、業績連動型のアーンアウト方式の採用により、AG社の今後2か年度の決算数値に応じて、最大2億米ドルの追加代金が発生する可能性がある。出資比率はコニカミノルタ60%、産業革新機構が40%。
乳がん、卵巣がんなどを対象としたサービスを2018年度より導入予定
今回の買収合意は、がん治療などに今後大きな役割を期待されているプレシジョン・メディシン(個別化医療)推進に向けた戦略的取り組みの先駆けとなるもの。コニカミノルタはこの買収により、最先端の遺伝子診断技術、バイオインフォマティクスを駆使した高度なIT解析技術、最新鋭で大規模な検体検査ラボ、高収益なサービス事業を取得する。さらに、コニカミノルタ固有技術のタンパク質高感度定量検出技術(HSTT)と、AG社の遺伝子診断技術を合わせることで、患者のグループ化や新薬開発で欠かせない二つのコア技術を持つことになる。
今後、日本では、がんを対象に遺伝子診断サービスを導入していく。まずは、AG社の実績のある乳がん、卵巣がん、大腸がん等を対象とした遺伝子診断サービスを2018年度より導入する予定。
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・コニカミノルタ株式会社 ニュースリリース