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【厚労省】審査へのAI活用盛り込まず-有識者懇談会が報告書

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2017年06月30日 AM10:30

塩崎恭久厚生労働相の私的懇談会「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」は27日、報告書を取りまとめた。医薬品開発の領域では、新薬の開発が実現可能かどうかを確認する時間とコストの低減を図るため、医薬品に関する知識データベース(DB)を公的機関に構築することを提案した。一方、)が行っている医薬品・医療機器等の承認審査にAIを活用する方策は盛り込まれなかった。

報告書では、新薬開発には莫大なコストと長い年月がかかるほか、国内の製薬企業は欧米の企業に比べて研究開発への投資を増加させる余力が乏しい点などを指摘。これらの課題に対しては「AIの活用が極めて有効」とし、想定される活用方法を挙げた。

具体的には、「医薬品に関する知識DBの構築により、新薬の開発が実現可能かどうかを確認する時間とコストの低減ができる」とし、公的機関にDBを設置して国内の製薬企業が低価格で使用できるようにすれば、「産業全体の競争力強化につながる」との見方を示した。

AIを活用した創薬を実現するためには、医薬品開発に携わるAI人材を確保する必要があるが、人材が不足している現状から、2019年度末までは製薬企業とIT企業の協力を促し、公開されているビッグデータを基にIT企業のリソースを使用して製薬企業のニーズを踏まえたAIを開発することが期待されるとした。

3月7日の懇談会では、構成員でもある奥野恭史氏(京都大学大学院医学研究科教授)がAIに過去の承認審査報告書などのデータを学習させることで、審査の効率化や添付文書改訂の自動化につなげる取り組みを提案したが、報告書には盛り込まれなかった。

奥野氏は、「医薬品開発フローとAIニーズ」の中で、「PMDA、)等の薬事承認プロセスの自動化とノウハウ蓄積のためのAI(自然言語処理等)に期待大」との見解を示したほか、「製薬会社同士が自社データを持ち出して共有することは困難」との課題を示し、「国策として、PMDAが保有するデータ(特にCDISC等)を学習データとして利活用することが期待される」などとしていた。

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