毒性アミロイドβ42、モデルマウスを用いて効果・効能評価を実施
株式会社免疫生物研究所(IBL)は6月26日、株式会社トランスジェニックと、アルツハイマー病(AD)治療薬に関する共同研究開発契約を締結することを発表した。
今回の共同研究は、IBLが所有する毒性アミロイドβ42(Aβ42)に対する抗体を、トランスジェニックが有するモデルマウスを用いて、AD治療薬としての効果・効能評価を行う。医薬品としての開発可能性の検討を共同で取り組むことで、AD治療薬のシーズとして製薬メーカーへの早期導出を目指すという。
Aβ毒性オリゴマーに対して特異的に反応する抗体で特許出願も
早期のAD患者には、Aβ(1-42)がオリゴマー形成すると考えられている。毒性のある構造のAβオリゴマーが強いシナプス障害作用を引き起こし、これによって認知機能が低下、ADが発症するという仮説が提唱されている。IBLは、毒性Aβ42に対する抗体を用いたELISAキットの販売を2016年11月より行っている。
同製品は、京都大学農学研究科の入江一浩教授、千葉大学大学院の清水孝彦准教授、京都府立医科大学大学院医学研究科の徳田隆彦医学研究教授らの研究グループとの共同研究から生まれたもの。この製品に用いられている抗体は、ADの原因物質と考えられているAβ42において、神経細胞に対して毒性を持ちやすい立体構造であるAβ毒性オリゴマーに対して特異的に反応することが特徴。ADの体外診断用医薬品としてのみならず、まったく新しいAD治療薬シーズとしての可能性を秘めているとして、同社が特許も出願している。
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