厚労省は既に、薬局機能情報提供制度に追加するものとして、▽患者の服薬情報の一元的・継続的把握のために、電子版お薬手帳や電子薬歴システムなどICTを導入している薬局数▽在宅業務を過去1年間に平均月1回以上実施した薬局数▽健康サポート薬局研修を修了した薬剤師を配置しており、その薬剤師が地域ケア会議等、地域の医療・介護関係の他職種と連携する会議に出席している薬局数▽医師に対して患者の服薬情報を示す文書を過去1年間に平均月1回提供した実績がある薬局数――の4項目を示し、毎年、全国集計して「全項目が前年度に比べて増加する」ことを目標に掲げた。
この日の会合では、KPIとは別に、かかりつけ薬局としての取り組みがより把握できる項目として、▽地域におけるプレアボイドの取り組み▽地域医療情報連携ネットワークへの参加の有無▽退院時カンファレンスの参加の有無▽医師への受診勧奨に関する情報等の提供体制の有無――といった地域医療連携体制に関する項目を追加。
医療安全の取り組みとして、「副作用報告の実績」「ヒヤリ・ハット事例収集の取り組みの有無」を薬局機能情報提供制度に加えることを提案した。
北澤京子委員(京都薬科大学客員教授)は、かかりつけ薬剤師・薬局において「薬剤師と患者が信頼関係を持って、いつでも相談できることが重要」とする一方で、そうした指標がないことを指摘した。
厚労省は、「患者がどれだけ満足したか」などの評価は、新たな項目追加と実態調査などを通して把握していく考えを示した。
■薬剤師不在時の一般薬販売、厚労省が要件提示
この日の会合で厚労省は、政府の方針で規制緩和された、薬局における薬剤師不在時の一般薬販売の具体的な要件を示した。
厚労省は既に、▽薬剤師が「実地に管理」しているとみなせる状況にあること▽調剤等の機能に係る区域を閉鎖すること▽調剤等を求める患者が困らないようにする――といった対応方針を示しており、これらを要件化した。
具体的には、▽薬局外で業務を行っている管理薬剤師と常に電話等で連絡が可能▽管理薬剤師が速やかに店舗に戻ることができる▽調剤室の施錠等により、医療用医薬品の管理を徹底、要指導医薬品と第1類薬については店舗販売に準ずる▽薬剤師が不在で、調剤ができない理由の明示▽患者の希望に応じて近隣の薬局を紹介する体制の構築▽不在時間の長さに一定の条件を設ける――の6点。
日本薬剤師会の乾英夫副会長は、「あくまで緊急避難的」なものとし、「このようなケースが常態化することがないよう」求めた。厚労省は、在宅対応などのケースに限定されると説明し、「事前に届け出てもらう」などの手続きを考えていることを明らかにした。