専門家の作業部会では、「Q12:ライフサイクルマネジメント」のガイドライン案に合意した。承認後の製造方法・規格試験などの変更に関する手続きは、国や地域間で調和されていない部分があり、製薬企業は一つの製品に対して国・地域ごとに複数の管理が求められ、経済的負担などを強いられている現状があった。Q12では、承認後変更管理を計画的に実施するための「承認後変更管理実施計画書」を導入することで、製造方法や規格試験の効率化を促すのが狙い。今後、各国で最終確認後、今秋ごろをメドにパブリックコメントを募る予定。
また、「E2B(R3):症例報告の電子的送信(Q&Aの作成)」と「M7(R1):DNA反応性不純物の測定と管理(付録の作成)」をICHガイドラインとして採択し、各国で通知することも決めた。E2Bは、副作用報告を電子的方法で規制当局に提出する手法に関するガイドライン。今回、年齢の単位(年代)に関する表現方法、タイムゾーンの表記を追加したことで、より正確に副作用情報の管理ができるようにした。またM7ガイドラインは、医薬品に含まれる変異原性不純物の評価と管理に関する原則を提供しているが、今回は付録を作成し、14物質の化合物特異的な許容摂取量と許容1日被曝量を定めた。
一方、新規トピックとして、「E8(臨床試験の一般指針)の改訂」と「小児医薬品開発における外挿」の2課題を採択した。臨床試験の基本的なプロセスを記載したE8の改訂により、臨床試験の質とそれに影響を与える試験デザインに関する事項を最新の内容に改める。
また、小児医薬品開発における外挿では、ガイドラインを作成することで、薬理学、薬物動態学などを用いた手法を提供し、成人の有効性・安全性データを使用して医薬品の小児適応を設定可能にすることを目指す。今後、専門家の作業部会の設立に向けた議論をスタートする方針。
次回会合は、11月11~16日にスイスのジュネーブで行う予定。