ヒアルロン酸とNSAIDSを化学結合した医薬品
生化学工業株式会社は6月16日、変形性膝関節症を適応症とする関節機能改善剤SI-613の米国における第2相臨床試験を開始したと発表した。
変形性膝関節症は、膝関節内の軟骨が摩耗することで、関節組織が変性し炎症や痛みが生じる疾患。軟骨の擦り減りが進むと、骨と骨が直接接触するため、関節を動かしたときに強い痛みが生じる。発症には加齢、肥満、外傷、過度な運動、遺伝的素因などが関連していると言われている。
日本では2017年2月からP3試験が進行中
SI-613は、独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を化学結合したもので、生化学工業が医薬品として開発を進めている。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、徐放されるように設計されたNSAIDの鎮痛・抗炎症作用を併せ持ち、変形性関節症に見られる強い痛みや炎症を速やかかつ持続的に改善することが期待されている。また、注射剤として関節腔内に直接投与することから、全身血流への移行が少なく、NSAIDの経口剤や貼付剤投与と比較して副作用が軽減されるものと考えられている。
日本において同剤は、2017年2月より変形性関節症を対象とした第3相臨床試験を実施中。同社は、研究開発基本方針において重点領域としている運動器疾患での製品ラインナップ拡充に向け、日本および米国における同剤の開発を加速させるとしている。
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・生化学工業株式会社 プレスリリース