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英単語のリスニング能力を向上させるニューロフィードバック技術を開発-阪大ら

読了時間:約 1分24秒
2017年06月20日 PM02:30

日本人が困難とする「right」と「light」の聞き分け

大阪大学は6月15日、無意識に英単語のリスニング能力を向上できるニューロフィードバック技術の開発に成功したと発表した。この研究は、)脳情報通信融合研究センター常明氏らの研究グループと同大大学院情報科学研究科、北海道大学との共同研究によるもの。研究成果は「PLOS ONE」のOPEN ACCESSに同日付けで掲載されている。


画像はリリースより

英語のリスニングで日本人が困難とするのが、例えば「right」と「light」の違いのような、日本語にない音の聞き分けだ。これまでの英単語のリスニングの学習は、聞いた音に対してどちらの音であるかというテストを行い、それが正解か不正解かを学習者に伝えて学習を促す場合が多く、このような学習では成果が出るのに時間がかかるという問題があった。

ゲームをするだけで英単語のリスニング能力が向上する可能性も

今回の研究では、音の違いに対して反応する脳活動(Mismatch Negativity:)を強化するニューロフィードバック技術を開発。これにより、5日間程度の学習で英単語のリスニング能力が向上することを明らかにしたという。学習前には60%前後だった正答率が、5日間の学習後、約90%に向上したという。

このニューロフィードバックによる英単語の学習法の特徴は、聞いている「英単語」に注意を向ける必要はなく、「音の違い」に対して反応するMMNを大きくするように努力すればよいという点。今回の研究では、学習者の前に設置したディスプレイにMMNの大きさに対応した緑の円が提示され、この円を大きくするようにイメージすることで自分のMMNを大きくすることができ、その結果、リスニング能力を向上させることができたという。

現在は、基礎的な研究であるため、MMNの大きさを緑の円の大きさで学習者に提示している。今後は、MMNの大きさをレーシングカーのスピードに対応させたレーシングゲームを開発することで、学習者はレーシングカーのスピードを上げて前の車を抜くことに集中しているだけで、気が付いたら英単語のリスニング能力が向上する、ニューロフィードバックゲームなどを作ることが可能になるとしている。

 

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