丸共水産と北海道立総合研究機構が共同開発
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月15日、ヒトの消化管における吸収性を大幅に高めた糖鎖オリゴマーを開発し、マイクロ化学プロセス処理技術を応用した量産技術を確立させたと発表した。この研究は、同機構の「中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業」において、丸共水産株式会社と北海道立総合研究機構が共同で行ったもの。
画像はリリースより
コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸などの糖鎖は、2糖繰り返し単位が長くつながった構造を持つ直鎖状の多糖類で、近年、医薬品や栄養補助食品としても広く利用されている。しかし、これらはタンパク質分解酵素では分解されず、特殊な酵素を用いなければ分解されないため、ヒトの消化管ではほとんど消化吸収されず、その機能性が十分に発揮されているとはいえない状況だった。
機能性食品や医療用素材などへの応用に期待
研究グループは、このような多糖類をヒトの消化管で吸収できるサイズに低分子化し、吸収性を大幅に高めることによって、少ない量でより優れた効果が得られる糖鎖オリゴマーを開発。さらにマイクロ化学プロセス処理技術を応用し、糖鎖の大量生産技術を確立した。さらに、北海道の地域海洋資源である、エイの一種「カスべ」から抽出したコンドロイチン硫酸を用いて、ヒトの消化管における吸収性を大幅に高めた糖鎖オリゴマーの開発に成功したという。
生産された糖鎖は、栄養補助食品や化粧品の材料としての活用が期待されるほか、今後は新たな機能性食品や医療用素材としての研究開発を行っていく予定、と研究グループは述べている。
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・新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース