non-HDLコレステロール低下効果、通常の治療法より優れる
仏サノフィと米Regeneron社は6月11日、糖尿病を併存する高コレステロール血症患者を対象とした「プラルエント(R)」(一般名:アリロクマブ)の第3b/4相ODYSSEY-DM試験で、主要評価項目のLDLコレステロールの有意な低下がみられ、non-HDLコレステロール低下効果は今までの通常の治療法より優れることが明らかになったと発表した。この試験結果は、第77回米国糖尿病学会(ADA 2017)にて発表された。
プラルエントは、PCSK9(前駆タンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)のLDL受容体への結合を阻害し、肝細胞の表面にあるLDLコレステロールの除去に利用できるLDL受容体数を増やす。その結果、LDLコレステロール値が低下する。
大部分の患者で脂質レベルが目標値に達する
ODYSSEY DM-INSULIN試験では、心血管リスクが高く、最大耐用量スタチン治療を受けている高コレステロール血症患者でかつインスリン治療を受けている1型糖尿病または2型糖尿病の患者517例を対象に、プラルエントの有効性と安全性を検証した。最大耐用量のスタチンとプラルエントの併用により、LDLコレステロールは、ベースラインから48.2%低下し、プラセボ群では0.8%上昇。群間差は、49%だった(p<0.0001)。
ODYSSEY DM-DYSLIPIDEMIA試験では、心血管リスクが高い2型糖尿病または混合型脂質異常症で最大耐用量でのスタチン療法では十分な脂質コントロールが行えない患者413例を対象とし、通常治療に対する同剤の優越性を検証。主要評価項目は、ベースラインから第24週までのnon-HDLコレステロールの変化率。プラルエントは通常の治療に比べ、non-HDLコレステロール低下効果が優れていたという(プラルエント群37.3%、通常治療群4.7%)。2群間の差は、32.5%。(p<0.0001)。LDLコレステロールは、プラルエントと最大耐用量のスタチン療法との併用で、ベースラインから43.3%低下したのに対し、通常治療では0.3%上昇した。(p<0.0001)。
いずれの試験も、大部分の患者は、プラルエント75mgの隔週投与で脂質レベルが目標値に達し、安全性はODYSSEY第3相試験プログラムと同様だった。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース