医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > ニンテダニブ、悪性胸膜中皮腫対象のP2試験でPFSを3.7か月有意に改善-独ベーリンガー

ニンテダニブ、悪性胸膜中皮腫対象のP2試験でPFSを3.7か月有意に改善-独ベーリンガー

読了時間:約 1分18秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年06月15日 PM01:45

がん全体では1%未満の希少がんである悪性胸膜中皮腫

独ベーリンガーインゲルハイムは6月5日、)を対象にした経口トリプルアンジオキナーゼ阻害剤「」のランダム化、二重盲検、プラセボ対照治験「LUME-Meso試験」の第2相試験のデータを発表した。このデータは、)年次総会のオーラルアブストラクトセッション内で発表された。

MPMは、がん全体の中でも1%未満の胸部に発生する希少がん。アスベストの長期的な吸入と関係しているといわれている。MPM患者の予後は不良で、診断後の5年生存率は10%未満。上皮型・二相型・肉腫型の3つの組織型に分類され、上皮型が最も多く、MPMの50~70%を占める。

有意差はないものの、OSも中央値で4.1か月延長

今回は発表されたデータにおいて、標準的一次化学療法()にニンテダニブを追加投与した治験集団全体(組織型が上皮型または二相型の患者)では、プラセボを追加した標準化学療法のみの治療と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を中央値で3.7か月有意に改善し、疾患増悪のリスクを46%減少させた(ニンテダニブ9.4か月vsプラセボ5.7か月)。上皮型の患者では、化学療法へのニンテダニブの追加投与によるPFSの中央値へのベネフィットがより大きく4か月だった(ニンテダニブ9.7か月vsプラセボ5.7か月)。

副次評価項目の全生存期間(OS)の主解析では、有意な差がつかなかったものの、化学療法にニンテダニブを追加投与した患者のOSの中央値は4.1か月延長し、患者集団全体で肯定的な傾向が示された(ニンテダニブ18.3か月vsプラセボ14.2か月)。PFSの結果と同様に、上皮型に分類された患者での有効性が最も高く、OSの中央値は化学療法のみの治療の15.2か月に対して、20.6か月だった。

なお、ニンテダニブは、現在、LUME-Meso試験の第3相臨床試験(NCT01907100)が実施されている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬
  • チルゼパチド、肥満症の日本人対象P3試験で有意な体重減少効果-リリー
  • エブリスディ2年データ、SMA小児の多くが独立歩行可能となったことを示す-ロシュ
  • 点滴ライン整理用の「カラフルホルダー」開発、ワンタッチで長さ調節可-東北大ほか