世界69か国以上で承認されている経口の選択的ALK阻害剤
スイスのノバルティス社は5月26日、FDAが承認した検査により、ALK融合遺伝子陽性(ALK陽性)の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)と診断された患者に対する一次治療薬として、「ジカディア(R)」(一般名:セリチニブ)の適応拡大に関する米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表した。
ジカディアは、経口の選択的ALK阻害剤。現在、世界69か国以上で承認されている。日本では「クリゾチニブに抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞がん」を効能または効果として、2016年3月に承認され、同年5月に発売された。2017年1月には、脳転移があるALK陽性転移性NSCLC患者に対する一次治療薬として、FDAからブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定され、ALK陽性転移性NSCLC患者に対する一次治療薬として優先審査品目に指定されていた。
第3相試験「ASCEND-4」の結果に基づく承認取得
今回の承認は、多施設共同第3相非盲検無作為化グローバル臨床試験(ASCEND-4)の結果に基づくもの。試験では、一次治療薬としてジカディアを投与された患者の無増悪生存期間(PFS)の中央値が16.6か月(95%信頼区間[CI]:12.6,27.2)であったのに対し、標準的な一次治療薬であるプラチナ併用ペメトレキセドによる化学療法とペメトレキセドによる維持療法を受けた患者では8.1か月(95%CI:5.8,11.1)だったという。
また、測定可能な脳転移がある患者の頭蓋内病変の全奏効率(OIRR)は、ジカディアを投与された患者が57%(95%CI:37,76;n=28)であったのに対し、化学療法を受けた患者では22%(95%CI:9,42;n=27)だった。さらに、全身病変の全奏効率(ORR)は、ジカディアを投与された患者で73%(95%CI:66,79;n=187)だったという。
なお、日本も同試験に参加し、その結果に基づいて、2016年11月29日にALK融合遺伝子陽性NSCLCに対する一次治療薬として、ジカディアの製造販売承認一部事項変更申請を行っている。
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・ノバルティスファーマ株式会社 プレスリリース