日本薬剤師会は9日の定例会見で、保険調剤の動向「2016年度調剤分(全保険・速報値)」を発表した。処方箋の受取率(分業率)は71.7%で前年度の70.0%から1.7ポイント上昇。前回調査で秋田、神奈川、新潟の3県のみだった分業率80%超は8県に増えた。
都道府県別の分業率を見ると、「80%以上」は、北海道(80.0%)、青森(81.4%)、岩手(80.0%)、宮城(81.5%)、秋田(86.9%)、神奈川(81.8%)、新潟(81.6%)、佐賀(80.3%)だった。
「70~80%未満」の都道府県は、前年度の23から21に減少したものの、「60~70%未満」は12(前年度11)に増加。「50~60%未満」は5都道府県(8)に減り、2都道府県だった50%未満は、福井の49.4%のみとなった。
調剤件数は6億3614万4197件(対前年度比102.3%)、受取処方箋枚数は7億9929万1669枚(101.4%)だった。
日薬の森昌平副会長は、「下からぐっと押し上げる格好で分業率は上昇している」とコメント。今後も薬局・薬剤師として、「しっかり仕事をしていけば、上がっていくのでは」と見通した。
一方、調剤点数(料)は7兆1721億1227万円(対前年度比97.1%)で、マイナスとなった。森氏はこの要因について、年間販売額が大きい医薬品の薬価を最大で50%に下げる「特例拡大再算定」を導入した薬価改定や、後発品の使用促進などによる薬剤費のマイナスを挙げた。