血中好酸球数が高値のCOPDの一部で、ICSを必要としない可能性を示唆
スイスのノバルティス社は5月23日、直接比較試験であるFLAME試験についてさらなる追加解析を行ったところ、血中好酸球数が高値の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の一部で、吸入ステロイド(ICS)を必要としない可能性があることが示唆されたと発表した。
新たな解析によると、「ウルティブロ(R)ブリーズヘラー(R)」(一般名:グリコピロニウム50μg/インダカテロール110μg)は、日本では未承認の用法・用量のサルメテロール50μg/フルチカゾン500μg1日2回投与(SFC)と比較して、好酸球数にかかわらず一貫して同様またはより優れたベネフィットをもたらすことが示されたという。この結果は、好酸球数が高値の患者にはICSによる治療の方が良好な臨床成績をもたらすという、これまでのデータと対照的な結果だ。
FLAME試験は、3,362名のCOPD患者を対象とした、52週間の無作為化、二重盲検、ダブルダミー、並行群間比較、実薬対照非劣性試験。43か国の356施設で実施された。同試験は、COPDの治療のウルティブロの効果検証を目的とした、IGNITE第3相臨床試験プログラムの一部。
ICS投与検討時はリスク-ベネフィット評価を個々に実施する必要性を提起
2017年のGOLDレポートでは、一部の患者で、血中好酸球数の高値はデュアルブロンコダイレーター(LABA/LAMA)よりLABA/ICS併用の使用を支持するためのバイオマーカーとみなしてよいのではないかと示されている。FLAME試験の新たな解析では、血中好酸球数が2%以上もしくは2%未満であるかにかかわらず、増悪を抑制する上でウルティブロの1日1回投与がSFCの1日2回投与より優れていることが示された。また、いずれのカットオフ値においてもSFCの有効性がウルティブロより優れることは示されなかったという。
なお、このデータは米国胸部疾患学会の「Blue Journal」の100周年記念号に公表されており、ICS投与を検討する際にはリスク-ベネフィット評価を個々に実施する必要性を提起している。
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・ノバルティスファーマ株式会社 プレスリリース