切除不能または転移性悪性黒色腫患者を対象に
米Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は6月2日、抗PD-1抗体「キイトルーダ(R)」(一般名:ペムブロリズマブ)について、切除不能または転移性悪性黒色腫患者を対象として評価した第3相臨床試験「KEYNOTE-006試験」における全生存期間(OS)の長期データを新たに公表した。このデータは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会の口頭セッションで発表された。
KEYNOTE-006試験は、治療歴のない、または1回治療を受けたことのある切除不能なステージ3またはステージ4の進行性悪性黒色腫患者を対象としてキイトルーダとイピリムマブを比較した国際非盲検無作為化第3相検証試験。同試験では、患者834例を3週間ごとに1回キイトルーダ10mg/kgを投与する群、2週間ごとに1回キイトルーダ10mg/kgを投与する群、3週間ごとに1回イピリムマブ3mg/kg(4サイクル)投与する群に無作為に割り付けた。治療は、許容できない毒性または疾患の進行が認められるまで、または疾患進行のない場合は最大24か月まで継続。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)とOSで、副次評価項目は奏効率(ORR)、奏効期間、安全性だった。
長期データにおいて死亡リスクが30%減少
発表された長期データにおいて、キイトルーダ群の50%(556例)が治療開始から33.9か月生存したのに対し、イピリムマブ群では39%(278例)と、3年近い追跡期間で死亡リスクが30%減少したという(HR: 0.70 [95%CI, 0.58-0.86])。
また、33.9か月時点の無増悪生存率がキイトルーダでは2倍近くとなり、イピリムマブ群の14%に対し、キイトルーダ群では31%の患者が疾患進行なく生存したという。さらに、同剤による94週間以上の治療を完了し、プロトコールに従い計画通り治療を終了した患者(556例中104例)におけるアウトカムも評価したところ、治療終了から9.7か月の追跡期間(中央値)におけるPFSの推定値は91%(95% CI, 80-96)だった。
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