新潟薬科大学は7日、2019年4月に長野県上田市で計画していた「長野薬学部(仮称)」の開設を事実上、断念することを明らかにした。
6日に上田市から、「現状では設置計画に対する財政支援が困難」といった旨の説明があったことを受け、同大学は7日に教育研究評議会を開催。長野薬学部設置計画については、「地元からの財政支援の見通しが立たないことから、計画をこれ以上進めない」ことを決定した。
上田市からの説明では、財政支援が困難な理由として、▽目的や金額規模を勘案すると、上田市が単独で検討できるものではない▽財政支援のためには市民や議会の理解を得る必要があるが、協力が不可欠な関係団体の賛同が得られておらず、環境が整っていない――ことなどを挙げたという。
設置計画の断念は、28日に開く予定の理事会で最終的に決定することになりそうだ。
薬学部設置をめぐっては、新潟薬大が建設に必要なコストを最大80億円と試算し、長野県と上田市にそれぞれ25億円の援助を要請していたが、長野県薬剤師会など、県内医療関係団体の理解が十分に得られず、県からの財政支援を受けることが難しい状況になっていた。