日本人の高コレステロール血症患者を対象に
サノフィ株式会社は6月1日、日本人の高コレステロール血症患者を対象とした「プラルエント(R)」(一般名:アリロクマブ)の第3相試験「ODYSSEY NIPPON」で、主要有効性評価項目であるLDLコレステロールのベースラインからの平均変化率を達成したと発表した。
プラルエントは、前駆タンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を標的とし、LDLコレステロール値を低下させる完全ヒトモノクローナル抗体薬。PCSK9は、血中のLDLコレステロール値に影響を与え、LDL受容体に結合することでそれらの分解を促進する。その結果、血中の過剰なLDLコレステロールを取り込む肝細胞上のLDL受容体の数が減少する。
日本人に適した用量設定として、150mg月1回の投与
ODYSSEY NIPPON試験は、世界57か国、患者2万5,000人以上を含む総合的な第3相ODYSSEYプログラムの一部。動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版に定められた管理目標に達していない家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体、または心血管イベントリスクを有する高コレステロール血症の日本人患者159例を対象に、プラルエントの有効性と安全性を評価するランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較、均等割付け(1:1:1、プラルエント150mgQ4W群:プラルエント150mgQ2W群:プラセボ群、皮下投与)、多施設共同第3相試験として行われた。
主要評価項目は12週時点でのLDLコレステロールのベースラインからの変化率。また、12週目以降のオープンレーベル試験では、長期の安全性の観察を副次評価項目とし、患者はスタチン、またはスタチン以外の脂質低下療法の有無に従って層別化した。
同試験の医学専門家である帝京大学臨床研究センターの寺本民生センター長は、「150mg月1回の投与は、日本人に適した用量設定として、日本でのみ試験を行っています。本試験は64週間中52週間(1年間)非盲検投与期間を設けており、今後、さらなる長期投与時の安全性のデータが出てくる予定です」と述べている。なお、同試験の成績は、今後の学術集会で発表される予定。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース