厚生労働省は1日、アレルギー疾患の適切な診療を行う医療提供体制の素案をまとめた。診療所のかかりつけ医や一般病院、都道府県の拠点病院、全国の中止の拠点病院による連携協力を基本方針と位置づけ、患者の服薬状況や副作用歴を把握する薬学的管理を実施する薬局の積極的な関与も必要とし、薬局・薬剤師の役割も明記した。
素案では、アレルギー疾患の重症化を予防するための適切な治療と管理に向け、多くの軽症患者を診療するかかりつけ医、病態が安定しない場合に紹介を受け関わる都道府県の拠点病院、さらに国レベルで科学的知見の情報提供や専門的な医療従事者の育成に関わる「中心拠点病院」に国立成育医療研究センター、国立病院機構相模原病院の2施設を位置づけ、これら各機関の連携によって、アレルギー疾患の適切な治療と管理が行われる体制が重要とした。
その上で、アレルギー疾患の予防や治療について、薬剤師が患者の服薬状況を把握して薬学的管理を行うなど、薬局の積極的な関与も必要と明記。均てん化を進める観点から、薬局・薬剤師の役割を盛り込んだ。
具体的には、アレルギー疾患において、かかりつけ薬局・薬剤師が患者に適切な薬物療法を提供することが重要とし、医療機関やかかりつけ医と連携しつつ、適切な情報提供や服薬指導を行う必要性を強調。薬学的専門性の観点から、服薬情報やアレルギー歴などの副作用情報について、処方医へフィードバックすることも求められるとした。
診療所や病院で病態が安定しない重症・難治性のアレルギー疾患については、各都道府県に1~2カ所設置する拠点病院で複数診療科が連携して治療を行う。内科、耳鼻科、皮膚科などの学会専門医が常勤することを求め、日本アレルギー学会のアレルギー専門医の常勤に加え、アレルギー疾患の専門知識を持つ薬剤師などの配置が望ましいとした。拠点病院はアレルギー疾患の診療ネットワークの中心的な役割を果たす。