長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬の気管支拡張剤
大日本住友製薬株式会社の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクは5月26日、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の長期維持療法を対象として申請中のSUN-101(一般名:グリコピロニウム臭化物)の新薬承認申請(NDA)について、米国食品医薬品局(FDA)から審査結果通知(Complete Response Letter)を受領したことを発表した。
SUN-101は、ネブライザーシステム「eFlow(R)」を用いて投与される長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)の気管支拡張剤。中等症から重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の長期維持療法を対象に開発中だ。
追加臨床試験の実施は求められず
今回の承認申請は、同剤の有効性および安全性を評価した3つのフェーズ3試験(GOLDEN-3、GOLDEN-4、GOLDEN-5)の結果に基づくもの。GOLDEN-3およびGOLDEN-4試験の結果、同剤は主要評価項目である12週間後の努力呼気1秒量(FEV1)のトラフ値のベースラインからの変化量について、プラセボに対して統計学的に有意な改善を示していた。なお、審査結果通知において、同剤の承認のための追加臨床試験の実施は求められていない。
COPDは、有毒粒子・ガスによる気道・肺の異常に起因する持続性の呼吸器症状や気流閉塞を特徴とする疾患。COPDの主要な危険因子は喫煙だが、他の環境的な因子も関与すると考えられている。米国においては、約1570万人の成人がCOPDと診断されており、年間12万人以上がCOPDにより亡くなっている。