ADHD治療薬初の選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬
塩野義製薬株式会社とシャイアー・ジャパン株式会社は5月26日、注意欠陥/多動性障害(ADHD)治療剤「インチュニブ(R)錠1mg・3mg」(一般名:グアンファシン塩酸塩)を発売したと発表した。
画像はリリースより
ADHDは、不注意・多動性・衝動性の3症状を主な特徴とする神経発達症群(発達障害)のひとつ。心理社会的治療・支援と薬物療法により治療可能な脳機能の障害だ。DSM-5では、子どものADHDの有病率は5%で、成人は2.5%とされている。
インチュニブは、ADHD治療薬として初めての作用機序である「選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬」で、1日1回投与の非中枢刺激薬。2009年に米国で発売以来、日本を含む38か国で治療薬の承認を取得、累計100万人以上の患者に処方されている。
プラセボ群と比較しADHD中核症状を有意に改善
国内第3相プラセボ対照試験の結果、インチュニブ群はプラセボ群と比較し、1日1回の投与で、ADHD中核症状である多動性・衝動性・不注意のいずれの症状も有意な改善を示した。承認時の安全性評価対象症例254例中、臨床検査値異常変動を含む副作用は190例(74.8%)に認められた。その主な内容は、傾眠146例(57.5%)、血圧低下39例(15.4%)、頭痛31例(12.2%)だったという。
塩野義製薬とアイルラインドShire plcは、2011年11月にインチュニブの日本国内の共同開発・商業化に関するライセンス契約を締結。2017年3月に、塩野義製薬が製造販売承認を取得していた。
▼関連リンク
・塩野義製薬株式会社 プレスリリース