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新薬加算「問題多い仕組み」、国民負担減へ廃止を要求-財政審が建議

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2017年05月29日 AM10:15

財務省の財政制度等審議会は25日、「経済・財政再生計画の着実な実施」に向けた建議をまとめ、麻生太郎財務相に提出した。社会保障に関して、同計画の目安に沿って関係費の伸びを5000億円増に抑えたことを評価しつつ、さらに伸びを抑制しなければならないと強調。薬価制度の抜本改革について、国民負担の軽減につながる改革を実行していく必要があるとし、特に新薬創出等加算を「問題の多い仕組み」として廃止するよう求めた。

建議では、社会保障の効率化、適正化の取り組みにより、同計画の目安を達成するだけでなく、さらに社会保障関係費の伸びを抑制しなければならないと強調。2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定については、賃金や物価が下落していく中で診療報酬本体は伸び続けていること、高齢化や医療技術の高度化による医療費・介護費の増加により、税や保険料、自己負担といった国民負担が増え続けていることを指摘。国民負担の抑制といった観点を踏まえて取り組んでいく必要性を強調した。

また、薬価制度の抜本改革については、昨年末にまとめられた基本方針に基づき、国民負担の軽減につなげる改革の実行を求めた。特に新薬創出等加算に対し、有効性と安全性といった医薬品の価値と関係なく、市場実勢価格があまり下がっていないことだけで加算対象となるなど「イノベーションの評価の観点から問題の多い仕組み」との考えを示し、新薬創出等加算の廃止を提言。これにより、国民負担を軽減する一方で、イノベーションの評価について費用対効果の観点から他の医薬品より優れていると認められるものを見極め、必要な加算等を行う仕組みを検討すべきとした。

また、建議では調剤報酬の見直しについて言及はなかったものの、参考資料と改革の方向性が示された。それによると、16年度改定で行われた調剤基本料や調剤料の見直しが要件や点数の若干修正にとどまるものが多く、18年度改定で対物業務から対人業務へ評価を重点化し、さらなる抜本適正化を行うよう求めたほか、門内薬局や門前薬局など、様々な形態の保険薬局が果たしている機能を精査し、院内調剤と比べた観点も含め調剤報酬のあり方を検討すべきとの方向性も提言した。

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