ヒアルロン酸と非ステロイド性抗炎症薬を化学結合した薬剤
生化学工業株式会社と小野薬品工業株式会社は5月12日、生化学工業株式会社が開発を進めている変形性関節症治療剤「SI-613」の日本での共同開発・販売提携に関する基本合意書を締結したことを発表した。今後両社は、正式契約締結に向けて協議を進めていく予定だ。
SI-613は、生化学工業独自の薬剤結合技術を用いて、ヒアルロン酸と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を化学結合した薬剤。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、徐放されるように設計されたNSAIDの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことから、変形性関節症に見られる強い痛みや炎症を速やかかつ長期間にわたり改善することが期待されている。
変形性関節症を対象としたP3試験を実施中
同剤は、注射剤として関節腔内に直接投与することから、全身血流への移行が少なく、NSAIDの経口剤や貼付剤投与と比較して副作用が軽減されるものと考えられる。
日本では、変形性関節症を対象とした第3相臨床試験を実施中。膝関節を対象とした検証的試験のほか、今後、他関節部位(股、足首、肘、肩)を対象とする臨床試験・安全性評価を主目的とする長期投与試験を実施する予定だ。同社はこれらの試験を速やかに進め、早期の承認取得を目指していきたいとしている。
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・生化学工業株式会社 ニュースリリース