■バイオテク協議会が要望書
バイオベンチャー29社で構成する日本バイオテク協議会は、医療系ベンチャー企業のイノベーションを評価する新たな薬価制度等に関する要望書を、8日付で塩崎恭久厚生労働相に提出した。会員企業の平均営業利益が赤字と厳しい事業環境を説明。その上で、厚労省懇談会の報告書を踏まえ、ベンチャーが製造販売する希少疾病薬への「ベンチャー体制整備加算」(仮称)の創設などを提言し、中央社会保険医療協議会の関係団体ヒアリングへの出席も要望した。
同協議会は、ベンチャー企業の開発品目の多くが難病治療薬、希少疾病薬のため、原価計算方式で算定されるものの、この方式ではベンチャー企業は販売後に赤字になるケースが非常に多いと指摘。ベンチャー企業の費用構造を含めた実態調査を行わず、企業規模と無関係な販管費率などの係数を用いて算定されているとし、赤字にならないよう開発インセンティブが働く新たなベンチャー体制整備加算の創設を提言。年間売上高20億円以下の希少疾病薬について、売上に応じ算定薬価に5~20%の加算を導入するよう求めた。類似薬効比較方式Iについて、特に患者数1000人未満の場合、安定供給を確保するための「ウルトラオーファン加算」(仮称)の創設を提案。原価計算方式についても、補正加算が営業利益率14.6%への補正によって行われるものの、最大100%の補正を行っても薬価全体への影響度はプラス24%と、類似薬効比較方式の有用性加算IIの上限にも届かないと指摘。先駆け審査指定制度加算の影響もプラス1%未満に過ぎず、イノベーション評価が不十分として、画期性加算の要件の該当数に応じて原価計算方式における5~60%の新たな補正加算導入を提言した。