IL-6受容体を標的とするヒトモノクローナル抗体薬
仏サノフィと米Regeneron社は4月24日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者に対する治療薬として、同社が開発中のIL-6受容体を標的とするヒトモノクローナル抗体薬「sarilumab」の承認を勧告する肯定的見解を示したと発表した。
CHMPは、同剤を中等度から重度の活動性関節リウマチがみられ、1剤以上の抗リウマチ薬(DMARDs)で十分な効果が得られない、または不耐の成人患者に対して、メトトレキサート(MTX)と併用する治療薬として用いることを推奨。MTX不耐例や、MTXによる治療が適切ではない場合は、同剤の単独投与が可能となる。同剤は、200mgを2週間に1回、皮下投与する。好中球減少、血小板減少症や肝酵素上昇がみられた場合には、200mgの隔週投与から150mgの隔週投与への減量が推奨されている。
今後数か月以内に最終決定を行う見込み
今回のCHMPの見解は、SARIL-RA-MOBILITY試験、SARIL-RA-TARGET試験、SARIL-RA-MONARCH試験を含む、Global SARIL-RA第3相臨床試験プログラムの7試験の結果に基づいて出されたもの。これらの試験では、中等度から重度の活動性関節リウマチを有し、1剤以上の抗リウマチ薬の生物学的製剤(bDMARDs)または抗リウマチ薬の非生物学的製剤(cDMARDs)で十分な効果が得られない、または不耐の成人患者3,300人以上のデータが得ている。
なお、sarilumabはカナダにおいて、中等度から重度の活動性関節リウマチを有し、1剤以上のbDMARDsまたはcDMARDsで十分な効果が得られないか、不耐の成人患者を適応として承認されている。また、米国では現在審査中であり、世界の他の国々でも承認に向け開発が進められている。なお、欧州委員会(EC)は、同剤のヨーロッパ連合における医薬品販売承認申請(MAA)について、最終決定を今後数か月以内に行う見込みとしている。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース