後発医薬品への切り替え、約7割の薬剤師が再提案
株式会社エス・エム・エスは4月21日、同社が運営する薬剤師向けコミュニティサイト「ココヤク」にて、「AG/GEについての現場調査」を実施し、薬剤師203名からの回答を得たと発表した。
画像はリリースより
患者負担の軽減や医療保険財政の改善を目的に、厚生労働省は後発医薬品(オーソライズドジェネリック/ジェネリック医薬品:AG/GE)の使用促進を図っている。すでに処方されている先発医薬品をAG/GEへ切り替えるには、処方箋を発行する医師だけでなく、実際に調剤を行い、患者への受け渡し窓口にもなる保険薬局の薬剤師も大きな影響を及ぼす。そこで同サイトでは、主に調剤薬局の薬剤師に向け、日ごろAG/GEの切り替えについてどのような意識で、どの程度関わっているか、実態および意識調査を行ったという。
一度AG/GEに切り替えれば先発薬に戻る患者は少ない
調査の結果、AG/GEへの切り替えを拒否した患者に対し、68%の薬剤師が再提案を行っていることが明らかになった。薬剤師がAG/GEへの切り替えを勧めるきっかけとしては、「薬価に差がでたとき」、「処方内容が変更されたとき」、「使いやすさが改善されたAG/GEが発売されたとき」の順で多く、切り替えの際には特に資料を使わず、口頭で説明している薬剤師が多かった。
患者のAG/GEに対する理解レベルについては、「よい」または「どちらかといえばよい」と感じている薬剤師は16%にとどまった。薬剤師自身でも、先発薬とAG/GEの適応症の違いについて「(自分は)よく理解している」と感じているのは32%だった。薬剤師の64%がAG/GEに関するヒヤリ・ハット経験をしており、「先発・後発薬が入り乱れている患者に、間違って渡してしまった」「先発希望の患者に後発を渡してしまった、またその逆があった」が多かったという。
さらに、多くの薬剤師が口頭でAG/GEへの切り替えを提案しているものの、ほかの患者がそばにいる薬局窓口では口に出しづらい疾患名があり、抗うつ薬や抗がん剤などは服薬指導が難しいと感じているケースがあることがわかった。一方で、一度AG/GEに切り替えが行われてしまえば、先発薬に戻る患者の割合は少ないという回答が多いことから、AG/GEの使用促進には薬局窓口の薬剤師による適切な働きかけが大きな鍵を握ると考えられるという。
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