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抗菌薬適正使用実践へ手引き-医薬系8学会が策定

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2017年04月24日 AM10:15


■薬剤師などの行動内容示す

日本化学療法学会、、日本医療薬学会など医学・薬学系8学会は、院内における感染症専門の医師、、臨床検査技師が抗菌薬適正使用支援プログラム()を実践するため、行動すべき内容をまとめたガイダンス案を公表した。医療現場の実情に合わせた適正使用支援の組織作りや効果的なプログラムを策定する基本戦略を示し、プロセスやアウトカムの評価指標も明記した。また、医療職に対する教育啓発が不要な抗菌薬の処方減につながると推奨。ASPのコアメンバーと位置づける薬剤師の卒前教育も独立した項目として盛り込んだ。意見募集の結果を踏まえ、最終的に確定する予定。

ガイダンスは、欧米で先行してきた抗菌薬適正使用支援(AS)の取り組みが日本でも急務と判断。医療現場に即して医師や薬剤師などの専門スタッフがどのようにASを実践すべきか行動内容をまとめたもの。ASの組織づくりについては、効果的なプログラム運用のため、感染制御部門に感染制御チーム(ICT)とは別に抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を組織する必要があるとし、感染症の専門知識を持つ医師、薬剤師を中心に構成されることが望ましいとした。日本では人的資源が十分でないため、ICTとASTのスタッフは兼務可能としている。

これらチームで効果的なASを実践するため、医療機関の実情に応じたプログラムを作ることを推奨し、基本戦略となる介入、抗菌薬使用の最適化、微生物検査診断の利用、ASの評価測定、教育・啓発など各項目について具体的な対応を検討する方向性を示した。

抗菌薬の適正使用を推進するためには、適切な介入が求められるとし、有効な介入手段として欧米で推奨されている「感染症治療の早期モニタリングとフィードバック」「抗菌薬使用の事前承認」の2項目について、ASPで欠かせない戦略として日本でも全ての施設で検討すべきとした。

抗菌薬使用の事前承認は、感染症専門の医師や薬剤師の「許可制」とするものだが、日本では専門医や専門薬剤師が不足し、プロトコルに基づくPBPMが普及しつつあるものの、薬剤師の処方権が制限されているため許可制導入は困難と指摘。そこで、特定の抗菌薬処方と同時にASTが把握し、適正使用に早期介入できるような仕組みを構築するなど、日本の現状に合った工夫が必要とした。

抗菌薬使用の最適化に当たっては、対象患者を把握したら適切な微生物検査がオーダーされているか、第一選択薬が適切か判断する必要があるとした。治療開始後は、効果と共に、用法・用量、治療期間が適切かモニタリングし、必要に応じ主治医にアドバイスを実施することを提示。そのためには、薬剤師主導の臨床薬理学的アプローチによる抗菌薬使用の最適化を支援する仕組みが必要とした。

また、プログラムの効果については自己評価し、改善に役立てることを提言。ASのプロセスとアウトカムの両方を検証し、プロセスについては抗菌薬使用状況やTDM実施率など、介入内容を直接反映する指標を用い、アウトカムについては死亡率や入院期間、治癒率、再発率、耐性菌発生率など、臨床的改善と微生物学的改善を反映する指標を用いるとした。

教育・啓発活動については、処方医や医療職への教育・啓発が不要な抗菌薬の処方減につながると推奨。さらに、薬剤師の卒前教育にも言及。ASPのコアメンバーと位置づけられる臨床薬剤師に対し、多職種への教育に重要な役割を担っていると指摘。薬学教育において、抗菌薬を適正に使用する上で欠かせない原則について設定した教育カリキュラムの充実を図ることが必要とした。

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