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環境・生体信号を同時に時系列記録できる携帯型自動血圧計を開発-JSTら

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2017年04月19日 PM12:45

気温、気圧、身体活動と血圧、脈拍、カフ容積脈波形の同時収集が可能に

)は4月17日、気温・気圧に加え、高感度身体活動などの環境生活信号と、血圧・脈拍・カフ容積脈波形の生体信号を同時に時系列記録できるマルチセンサー携帯型自動血圧計「TM-2441」(医療機器承認番号 229AHBZ0000700)を開発したと発表した。この研究は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「社会リスクを低減する超ビッグデータプラットフォーム」のプロジェクトのひとつであるヘルスセキュリティの一環として、自治医科大学内科学講座 循環器内科学部門の苅尾七臣教授の研究グループ、および株式会社エー・アンド・デイが共同で行ったもの。同研究成果は、4月19~21日に開催される「第2回へルスケアIT 2017展」のエー・アンド・デイブースにて展示される予定。


画像はリリースより

高齢化社会が進む中、医療機関における血圧測定の機会は増えている。血圧は常に変動しており、それを評価するにはスポットの血圧測定では不十分と言われ、近年の高血圧治療ガイドラインでは、高血圧の管理・診断における診察室外血圧の重要性が強調されている。

現状、携帯型の血圧計は主に血圧値しか測定することができない。しかし、測定時の環境生活信号と、血圧測定時の数値のみならず血圧波形等も同時に測定できるようになれば、より精度の高いリスク予測を行うことが可能になる。

ビッグデータを用いた臨床エビデンス構築目指す

そこで今回、研究グループは、気温・気圧に加え、高感度身体活動など環境生活信号と、血圧・脈拍・カフ容積脈波形の生体信号とを同時に時系列記録できるマルチセンサー携帯型自動血圧計としてTM-2441を開発。この血圧計は、身体装着が可能であり、自由行動下での血圧測定が可能。24時間の血圧測定を行うことで、診察室血圧のみでは評価できない夜間睡眠時の血圧を含め、血圧の日内変動を検出することが可能だ。白衣性高血圧、仮面高血圧、早朝高血圧などの評価が可能になるという。また、同血圧計は24時間血圧計としてのみならず、家庭用血圧計、診察室血圧計としても使用可能。これにより、個人の環境・生活リズムを考慮した循環器疾患の個別治療への利活用が可能になるという。

今後は、ImPACT「社会リスクを低減する超ビッグデータプラットフォーム」において、同血圧計を活用し、ビッグデータを用いた臨床エビデンス構築を目指す。特にImPACTプログラム研究では、同血圧計を用いて、個人の血圧情報に加え、同時に多種の環境時系列データを自動取得するシステムを構築。ミクロレベル医療データの解析に必要なデータ解析プラットフォームを構築するという。

エー・アンド・デイは、血圧計等バイタルセンサー機器(家庭血圧、24時間型血圧)の測定結果をクラウド側に収集できるシステムの構築を、自治医科大学では、この血圧計を用いて実証研究を行い、得られたデータを解析検討し、リスク指標の同定を目指す。また、このリスクを解析、同定するアルゴリズム開発およびプログラムの実装を行うという。最終的には、カフ血圧波形データ、心機能、血管状態、臓器障害指標等のデータを統合し、ビッグデータ解析。循環器イベントの発症をシミュレーションするアルゴリズムを開発し、循環器イベント発症をリアルタイムで正確に予見するシステム、循環器イベントリスクシミュレータの構築を目指すとしている。

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