14年連続の増収を達成
ベーリンガーインゲルハイムは4月17日、都内で業績発表記者会見を行い、日本国内での医療用医薬品事業の2016年の売上高が過去最高の2586億円に達したことを発表した。
日本ベーリンガーインゲルハイム 青野吉晃社長
同社の医療用医品事業は14年連続の増収となる。日本ベーリンガーインゲルハイムの青野吉晃社長は大幅に躍進した薬剤として、SGLT2阻害剤のジャディアンス、特発性肺線維症治療薬のオフェブ、COPD治療配合剤のスピオルトの、2015年発売の3剤を挙げた。「ジャディアンスは基本性能が大変すぐれており、アウトカム試験でも良い成績を上げられた。国内でも慢性心不全の適応追加を検討している。オフェブは新規に抗線維化薬を処方された特発性肺線維症患者における薬剤割合でNO.1になったほか、スピオルトは長期投薬制限解除後すぐにLAMA/LABA配合剤の領域で2位のシェアを獲得することができた。近い将来にシェアトップになることを確信している」(青野社長)
今後に期待する製品としては、経口抗凝固薬プラザキサならびに特異的中和剤であるプリズバインドを挙げた。「この2剤が“最も安心して治療が行える薬剤”であることを強く伝えたい」と青野社長。2017年はミカルディスのパテント切れが控えているが、「われわれの製品は、競争的優位性とマーケットのニーズの双方をクリアしている」と自信を見せた。
グローバルでも売上予想を超える業績を
会見の冒頭では、ベーリンガーインゲルハイム ジャパンのトーステン・ポール社長が、グローバルの状況を説明。2016会計年度の医療用医薬品、動物用医薬品、一般用医薬品、バイオ医薬品受託製造の4部門を合わせた総売上は約159億ユーロ、営業利益は約29億ユーロとそれぞれ売上予想を上回ったことを報告した。グループ総売上の76%を占める医療用医薬品については、前年度比7.4%増の約120億ユーロとなった。主要製品別では、スピリーバが前年度比14.9%減の約30億ユーロ、プラザキサが前年度比6.8%増の約14億ユーロ、トラゼンタが前年度比23.1%増の約11億ユーロ、オフェブが前年度から2倍以上となる約6億ユーロだった。
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