厚生労働省は13日、2017年から5カ年の「第3期がん対策推進基本計画」の素案を、がん対策推進協議会に示した。全体目標として取り組むべき施策に「がん予防」「がん医療の充実」「がんとの共生」の3本柱を設定。受動喫煙防止などによる一次予防や希少癌や難治性癌など研究の促進が必要な癌への対策、癌と診断された時からの緩和ケアを推進する体制の整備などを明記。薬物療法に関して、拠点病院の薬剤師と薬局のかかりつけ薬剤師の連携体制整備を盛り込んだ。今夏頃をメドに政府の閣議決定を予定している。
癌の予防では、癌のリスクに患者が曝されることを減らす一次予防に重点を置いた。禁煙や受動喫煙防止対策の徹底、受診勧奨や普及啓発を通じて肝炎の早期発見・早期治療につなげて肝癌発症を予防するなどの感染症対策を促すことで、癌の罹患者や死亡者の減少を目指す。二次予防に向けた癌検診については、受診率向上のため薬局薬剤師を通じた受診勧奨を進めると共に、職域での癌検診の受診率を全ての癌種で50%とすることを目標に打ち出した。