サノビオン社の自社開発品である新規DNRI
大日本住友製薬株式会社は4月12日、ドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤「dasotraline」(一般名、開発コード:SEP-225289)に関する、小児の注意欠如・多動症(ADHD)患者を対象としたフェーズ3試験「SEP360-305試験」において、主要評価項目を達成したと発表した。同試験の結果は、カナダで行われる第6回世界ADHD会議において、ポスター発表される。
dasotralineは、大日本住友製薬の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクの自社開発品。ドパミンおよびノルエピネフリンの再取り込みを阻害する新規DNRIで、半減期は47時間から77時間と長く、24時間の投与間隔で持続的な治療効果が得られることが期待される。現在、米国において成人および小児におけるADHDならびに成人の過食性障害(BED)を対象に開発を進めている。
SEP360-305試験は、6~12歳のADHD患者112例を対象に、模擬教室の環境下において、同剤4mg/日投与群のプラセボに対する有効性および安全性を評価するために実施された。
成人・小児ADHDを対象に米国で承認申請予定
同試験の主要評価項目は、試験開始15日目におけるADHD症状のベースラインからの変化量であり、投与12時間後から24時間後までの12時間の間に模擬教室内で7回評価したSKAMP-Combinedスコアの平均値である平均SKAMP-Combinedスコアで評価されたという。試験の結果、dasotraline4mg/日投与群は、投与12時間後から24時間後まで持続的な効果を示すとともに、2週間の試験期間において良好な安全性プロファイルを示した。
サノビオン社は、同試験の結果を受け、2017年度中に、成人および小児のADHDを対象に米国において承認申請する予定。同社は引き続き、米国における成人のBEDの開発も推進していきたいとしている。
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・大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース