1日2回吸入のLAMAとLABA配合剤
大日本住友製薬株式会社は4月4日、米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクが、4月3日より米国において、慢性気管支炎・肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)による気道閉塞性障害の長期維持療法に用いられるドライパウダー吸入製剤「UTIBRON(TM) NEOHALER(R)」(一般名:インダカテロールマレイン酸塩/グリコピロニウム臭化物)を発売したと発表した。
UTIBRONは、1日2回吸入の、長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)と長時間作用性β作動薬(LABA)配合剤。臨床試験において、同剤の各有効成分(インダカテロールマレイン酸塩27.5μg、グリコピロニウム臭化物15.6μg)およびプラセボに対して、呼吸機能を有意に改善した。12週間投与の2本のフェーズ3試験において、UTIBRONは努力呼気1秒量(FEV1)に基づき評価される呼吸機能のベースラインからの変化量を、朝の投与後4時間以内に、それぞれ最大290mlおよび260ml改善。この2本のピボタル試験において、薬効発現の定義としたFEV1を100ml改善するまでの中央値は、初回投与後12分および16分で、薬効は、12時間ごとの投与間隔中においても持続したという。
米国では年間12万人がCOPDで死亡、死因の第3位に
サノビオン社は、2016年12月にノバルティス社との間で、UTIBRONのほか「Seebri(TM) Neohaler(R)」および「Arcapta(R) Neohaler(R)」についての米国における独占的な販売権に関するライセンス契約を締結。ノバルティス社は、2015年10月に、米国食品医薬品局(FDA)よりUTIBRONの承認を取得している。Seebri NeohalerおよびArcapta Neohalerのプロモーションは今年度中に開始予定。なお、Seebri Neohalerは2015年にFDAより承認取得、Arcapta Neohalerは2012年に発売している。
COPDは、有害粒子・ガスによる気道・肺胞異常に起因する持続性の呼吸器症状や気流制限を特徴とする、予防・治療ができる疾患。COPDの主要な危険因子は喫煙だが、他の環境的な因子も関与することが推測されている。米国においては約1570万人の成人がCOPDと診断されており、診断されていない成人のCOPD患者も数百万人に上ると考えられている。年間12万人を超える人がCOPDによって死亡しており、米国における死因の第3位となっている。
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・大日本住友製薬株式会社 プレスリリース