後発品のない製品が売上高の約8割を占める
バイエル薬品株式会社は4月4日、都内で社長記者会見を行い、2016年の売上高が前年比4.8%増の2917億円で、医療用医薬品市場の成長率0.3%を上回る業績だったと発表した。経口抗凝固薬「イグザレルト(R)」が前年比24.1%増の約641億円、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア(R)」が前年比18.0%増の約531億円と売上を牽引したのに加え、2016年6月には骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌治療薬「ゾーフィゴ(R)」、遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤「コバールトリイ(R)」を発売。後発品のない製品が売上高において占める割合は80%に上るという。
ハイケ・プリンツ代表取締役社長
さらに、2016年12月には「ヤーズフレックス(R)」が子宮内膜症に伴う疼痛の改善と月経困難症の適応で承認を取得しており、近日発売予定。2017年1月には抗癌剤「スチバーガ(R)」が優先審査に指定されている。このほか、2017年には38件の第2相、第3相臨床試験を予定しているという。
同社のハイケ・プリンツ代表取締役社長は、患者のニーズを探り当て、的確に対応するために、デジタル技術が生み出す機会を活かし、事業活動とプロセス、能力向上を加速させるための「デジタル変革」を進めていく姿勢を打ち出した。デジタルツールの活用促進や、ビッグデータを活用した連携パートナー候補の探索、AIを活用したMR活動サポートなどに取り組んでいくという。
インキュベーションラボを日本でも導入へ
また、同社オープンイノベーションセンターの高橋俊一センター長が、2017年にはベンチャー企業を支援するインキュベーションラボ「Colaborator」を日本でも導入予定であることを発表。ベンチャー企業に対して、研究面、事業面で支援をしていくという。
さらに、2016年に2回実施したデジタルヘルス分野の助成プログラム「Grants4Apps Tokyo」について、2017年の第3回目のテーマを「メディカルコーディング」に設定。治験結果や安全性報告を分析するための用語統一作業において人工知能を活用した自動化プログラムを、今月末から公募開始すると述べた。募集期間は3か月という。
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