複数の低分子化合物プログラムを有するベルギーの医薬品企業
アステラス製薬株式会社は4月3日、ベルギーの医薬品企業Ogeda SAの株主との間で、アステラス製薬がOgeda社を買収することに合意し、契約を締結したと発表した。
Ogeda社は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)に関する複数の低分子化合物プログラムを有する。最も進んだ臨床開発段階にあるfezolinetantは、選択的NK3受容体拮抗薬であり、更年期に伴う血管運動神経症状(VMS)を有する患者を対象とした非ホルモン治療に関する試験において良好な結果が得られているという。
2017年1月公表のfezolinetantの前期第2相試験では、更年期に伴うホットフラッシュ症状を有する患者80例において、主要評価項目に対し、プラセボと比較して有意な改善を確認。中等度から重度のホットフラッシュの頻度は、投与後4週においてベースラインから89%減少(プラセボでは38%減少、p<0.001)、投与後12週においてベースラインから93%減少(プラセボでは54%減少、p<0.001)したという。また、ホットフラッシュの重症度は、投与後4週においてベースラインから60%減少(プラセボでは12%減少、p<0.001)、投与後12週においてベースラインから70%減少(プラセボでは23%減少、p<0.001)。なお、重度の有害事象は認められず、軽度から中程度の有害事象(頭痛や鼻咽頭炎など)の発現率は67%(プラセボでは80%)としている。
第1四半期中に買収を完了し、完全子会社化へ
今回の買収契約に基づき、アステラス製薬はOgeda社の株主に対し、買収完了時に、同社の全株式の対価として契約一時金5億ユーロを支払い、さらに、fezolinetantの開発の進捗に応じて、最大で総額3億ユーロを支払う可能性があるという。
今後、アステラス製薬は米国のHart-Scott-Rodino法で定める待機期間が終了することなどの前提条件や、必要な法的諸手続きを経て、2017年度第1四半期中に買収を完了し、Ogeda社を完全子会社化する予定。
アステラス製薬は、この買収により臨床開発段階のパイプラインを拡充し、中長期の成長をより盤石なものにしていく考え。なお、同買収によるアステラス製薬の通期(2018年3月期)連結業績への影響は現在精査中としている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース