早期ADかつ、Aβの脳内蓄積が確認されている患者1,330人が対象
エーザイ株式会社は3月29日、自社創製の経口βサイト切断酵素(BACE)阻害剤 elenbecestat(開発コードE2609)について、早期アルツハイマー病(AD)を対象としたグローバル臨床第3相試験(MISSION AD1)の、日本における症例登録を開始したと発表した。
Elenbecestatは、経口のアルツハイマー病治療剤として開発中のBACE阻害剤。アミロイドβ(Aβ)産生の律速酵素であるBACEを阻害することで、Aβ産生を抑制し、毒性種と考えられる脳内Aβのオリゴマーやプロトフィブリルへの凝集、その後のアミロイドプラーク(老人斑)の形成の減少に繋がると考えられている。エーザイは、同剤を米国バイオジェン・インクと共同で開発。米国での開発については、米国医薬食品局(FDA)より優先的に審査するファストトラック指定を受けている。
MISSION AD2も日本でまもなく開始予定
Elenbecestatの臨床第3相試験プログラム(MISSION AD)は、グローバル臨床試験である MISSION AD1(301試験)および、MISSION AD2(302試験)から構成。MISSION ADは、両試験ともADによる軽度認知障害および軽度認知症の比較的早期段階からなる早期ADで、バイオマーカーでAβの脳内蓄積が確認されている患者1,330例を対象に、同剤の有効性と安全性を検証する、多施設共同プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験。
投与期間は24か月で、実薬群は50mg/日の1用量。 Clinical Dementia Rating Sum of Boxes(CDR-SB)を主要評価項目として用いる。MISSION AD1は2016年10月に米国で症例登録が開始され、順調に進行中。また、MISSION AD2も2016年12月から米国で開始されており、日本でも間もなく開始予定という。欧州においても、両試験の臨床試験申請を提出済みで、現在は開始準備中だとしている。
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・エーザイ株式会社 ニュースリリース