がん免疫領域で多重特異性抗体の創製目指す
小野薬品工業株式会社は3月28日、スイスのNumab Therapeutics AG社と、がん免疫領域において多重特異性抗体を創製するための創薬提携契約およびオプション契約を締結したと発表した。
Numab社は2011年設立。がん免疫および免疫領域において自社の多重特異性バイオ医薬品のパイプラインを有し、多くの製薬企業と創薬提携契約を交わしている。Numab社の多重特異性抗体医薬品は、複数の標的を同時に制御することで、疾患における多くの治療回避機構を解決するように設計されている。多重特異性プラットフォームは、独立した結合特異性を有するパーツの組合せという発想に基づく、合理性と再現性に優れた技術。新規作用機序を有し、有効性と安全性に優れた有望な臨床用治療薬候補を迅速に作り出すという。
創製される多重特異性抗体、がんに苦しむ患者の希望に
今回の契約に伴い、同社は、Numab社の革新的な創薬アプローチに基づいて作製された新薬候補抗体について、その知的財産権を取得するとともに、独占的に開発・商業化するオプション権を獲得。その対価として、Numab社に対して、提携期間中の研究費用を支払うとともに、契約一時金、研究および開発の進捗に応じたマイルストン、売上高に応じたマイルストンとして、総額で最大2億5800万スイスフランを支払い、売上高に応じたロイヤルティも支払う予定だ。
同社は、Numab社の技術はがん免疫領域における同社の創薬研究に適したものであり、今回の提携から創製される多重特異性抗体ががんに苦しむ患者に希望を与えることになると期待を寄せている。
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・小野薬品工業株式会社 ニュースリリース