「家電のフィリップス」から「ヘルステックのフィリップス」に
株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは3月22日に虚血性心疾患等のカテーテル治療時などで使用される血管撮影装置「Azurion」(アズリオン)の販売を開始。同日、都内で同社社長の堤浩幸氏と同社Image Guided Therapyビジネスマーケテイング統括グループ長の内田貴之氏が会見を行った。
堤浩幸 代表取締役社長
この3月に新社長に就任した堤氏は、同社のヘルステック戦略についてプレゼンテーション。同社は2012年にTV事業を売却したほか、2014年に音響事業を売却するなど、ポートフォリオが変化しており、2016年度の売上の98%がパーソナルヘルス事業とヘルスケア事業で占められている。「人口増加と高齢化、そして慢性病と生活習慣病の増加がヘルステックを推し進める大きな背景です」(堤社長)。日本国内での同社のヘルステックビジネスは大きく、画像診断装置やカテーテル治療器具からなる「診断&治療」、生体情報モニタや非侵襲人工呼吸器からなる「コネクテッドケア&ヘルスインファマティクス」、電動歯ブラシや睡眠・呼吸ケアからなる「パーソナルヘルス」の3つに分かれている。堤社長は「日本は当社にとって4番目に大きな市場で重視している。デジタル化を進めてイノベーションを起こし、ヘルステック企業でナンバー1になる」と目標を語った。
他社製品含む機器情報をひとつのパネルで表示
今回、販売が開始された「Azurion」は、新たに開発された運用システムにより、他社の周辺機器も含めた機器情報をひとつのパネルで表示することが可能。画像撮影中も操作室で別の作業ができるほか、手技の事前準備時間の短縮化にも寄与。セットアップ段階でのエラーリスクも低減させた、とのこと。
同社によると、「Azurion」の希望販売価格は4億円(税込)。国内初年度の販売台数は約20台を見込んでいる。