不妊治療の現場で注目を集める利便性の高いマーカー
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は3月22日、生殖補助医療における治療方法の選択に有用な抗ミュラー管ホルモン(AMH)測定用の「エクルーシス試薬 AMH Plus」の発売を発表した。発売日は5月9日を予定しているという。
不妊治療は、医療の介入度により大きく3段階に分かれ、最も高度な治療が生殖補助医療(ART)である。ARTは体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)に分類され、患者の状態に応じて、それぞれに複数の方法があり、治療方法の決定には、卵巣予備能の評価が有用と考えられている。
AMHは、発育早期の卵胞から分泌されるホルモン。年齢上昇により原始卵胞の数が減少するとAMH値も減少することから、発育過程にある胞状卵胞数と関連が強いと考えられ、卵巣予備能の評価として有用であると考えられている。また、AMHは月経周期の影響を受けずに検査が可能なため、利便性の高いマーカーとして生殖医療現場で注目を集めている。
国内で初めて、体外診断用医薬品としての製造販売承認を取得
AMHの測定は、これまで研究用試薬しかなかったが、エクルーシス試薬 AMH Plusは、生殖補助医療に用いられている調節卵巣刺激法の治療方法とその効果予測の補助を目的として、日本で初めて体外診断用医薬品として製造販売承認を取得した。
同製品は、電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を測定原理とする同社の自動分析装置を用いて、18分で迅速に測定することができるという。対応機種は、既に発売済みの同社の自動分析装置「コバス e 411」、「コバス 6000」、「コバス 8000」および「モジュラーアナリティクス」。生殖補助医療は保険適用外の診療であるため、現時点で同製品は保険未適用となる。
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・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース