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SGLT2阻害剤、心不全による入院率・死亡率を有意に減少-英AZ

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2017年03月23日 PM01:30

30万例超の2型糖尿病患者を対象としたCVD-REAL試験で

英アストラゼネカ社は3月19日、糖尿病治療薬SGLT2阻害剤の治療を受けた2型糖尿病患者の心不全による入院・総死亡のリスクを評価した、大規模リアルワールドエビデンス(RWE)試験「CVD-REAL試験」の結果を第66回米国心臓病学会年次学術集会で公表したと発表した。

糖尿病の成人患者は、世界中で4億1500万人にのぼり、2040年までには6億4200万人、成人の10人に1人にまで増加すると推定されている。2型糖尿病患者の心不全のリスクは通常の人より2~3倍高く、また、心臓発作および脳卒中の高いリスクに晒されている。さらに、2型糖尿病患者の死因の約50%が心血管疾患であると言われている。

今回結果が公表されたCVD-REAL試験は、世界6か国30万例超の2型糖尿病患者を対象としており、うち87%の患者は心血管系疾患の既往歴がなかった。同試験では、広範な2型糖尿病患者集団全体において、SGLT-2阻害剤であるフォシーガ(一般名:ダパグリフロジン、米国での製品名:Farxiga)、カナグリフロジン、エンパグリフロジンによる治療を他の糖尿病治療薬による治療と比較。その結果、心不全による入院率を39%(p<0.001)、総死亡率を51%(p<0.001)減少したことが示されたという。また、心不全による入院と総死亡の複合評価項目の減少率は46%(p<0.001)だったとしている。

データ収集は継続、今後も複数の解析を実施予定

心不全による入院率の解析は、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、英国および米国の患者の匿名データを用いたもの。使用されたデータの内訳は、ダパグリフロジン投与が全患者のうちの41.8%、カナグリフロジン投与は52.7%、エンパグリフロジン投与は5.5%だった。総死亡率の解析においては、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、英国および米国の患者の匿名データを用い、使用されたデータの内訳は、フォシーガ投与が全患者のうち51.0%、カナグリフロジン投与が42.3%、エンパグリフロジン投与が6.7%だった。

今回の解析結果は、CVD-REAL試験における最初の比較解析結果であり、RWEデータの収集は継続している。今後、今回と同じ対象国の解析データセットを採用するだけでなく、他の国々のデータを加えるなどして、複数の解析が実施される予定。なお、同試験に用いられる解析データは、診療記録、苦情データベースおよび国内登録など、実臨床の情報源から入手された非特定化データであり、解析は米St. Luke’s Mid America Heart Instituteの独立研究機関の統計グループにより検証されている。

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