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アベルマブ、転移性尿路上皮がん治療薬としてFDAが優先審査品目に指定-ファイザーら

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2017年03月21日 PM01:15

FDAに受理された2つめの生物学的製剤承認申請

独メルク社と米ファイザー社は2月28日、プラチナ製剤での治療中または治療後に進行が認められた局所進行性・転移性尿路上皮がんを予定適応症として、アベルマブの生物学的製剤承認申請(BLA)を米国食品医薬品局()が受理し、優先審査品目に指定したと発表した。BLAは、米国およびカナダにおけるメルクのバイオ医薬品ビジネス部門であるEMDセローノから提出されている。

アベルマブは、両社が現在開発中の完全ヒト型抗PD-L1抗体。PD-L1の作用を抑制することにより、T細胞と適応免疫系を活性化する。また、抗体中のFc領域を改変していないため、自然免疫系に作用することにより、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発すると考えられている。

2014年11月、メルクとファイザーはアベルマブを共同開発し、製品化する戦略的提携の締結を発表。同剤の副作用として、疲労、筋骨格痛、下痢、吐き気、末梢性浮腫、食欲不振、皮膚障害がみられ、免疫性の副作用も報告されている。FDAは2016年11月に、転移性メルケル細胞がん治療薬としてアベルマブのBLAを受理し、優先審査品目に指定して現在審査中である。

予後不良な尿路上皮がん、転移している場合はさらに厳しい

尿路上皮がんの治療は進歩しているものの、予後は依然として不良であり、転移している場合は特に不良だ。膀胱がんは、尿路上皮がんの約90%を占め、米国では6番目に多いがんとなっている。

アベルマブの国際共同臨床開発プログラム「JAVELIN」は、少なくとも30以上の臨床プログラムから成っており、9つの第3相試験を含む15以上の異なるがん種について、4,000人を超える患者を評価している。2015年12月、メルクとファイザーは、局所進行性・転移性尿路上皮がんの維持療法として、一次治療におけるアベルマブの第3相試験(JAVELIN Bladder 100試験)の開始を発表。同試験は現在、被験者を登録中だという。

なお、今回の適応におけるアベルマブの処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの承認目標は2017年8月27日。両社は今後も、尿路上皮がん開発プログラムを加速し、FDAと協議していきたいとしている。

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