医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > マラリア治療薬「リアメット配合錠」の発売を開始-ノバルティス

マラリア治療薬「リアメット配合錠」の発売を開始-ノバルティス

読了時間:約 1分13秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年03月09日 PM01:00

世界60以上の国・地域で承認されている第一選択薬

ノバルティス ファーマ株式会社は3月7日、マラリアの治療薬として「(R)配合錠」(一般名:)を発売したと発表した。


画像はリリースより

マラリアは、メスのハマダラカの刺咬によりマラリア原虫が体内に侵入することによって感染する原虫性の疾患。マラリア感染の予防や制御などの対策が進み、年々マラリア感染者数やマラリアによる死亡者数は減少しているものの、現在でもなお世界最大の感染症のひとつだ。アフリカ、アジア、オセアニア、中南米などの熱帯、亜熱帯地域を中心に約100の国または地域で流行し、年間2億人以上が新たに感染、43万8千人が死亡している。

リアメットは、アルテミシニン誘導体と作用機序の異なる他剤を組み合わせた併用療法(artemisinin-based combination therapy:ACT)の配合剤。WHOのマラリア治療ガイドラインでは、マラリアの治療薬としてACTが推奨されており、特に重症化しやすい「合併症のない急性熱帯熱マラリア」の治療には、ACTが第一選択薬に位置づけられている。同剤はACTの代表的な薬剤として、海外では米国や英国を含む60以上の国または地域で承認されている。

厚労省の開発要請を受け、2016年12月に製造販売承認を取得

これまで日本においては、熱帯病治療薬研究班がリアメットを輸入。同研究班に所属する医療機関で使用されてきた。しかし熱帯病治療薬研究班より「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬」として同剤の開発要望があり、厚生労働省は2014年8月に同社へ開発を要請。2016年12月19日付けで製造販売が承認された。

現在、日本で報告されているマラリア患者は、すべて外国に渡航した際の感染例だ。国内での患者数は2000年の154人をピークに漸減傾向で、最近では年間50~70人前後で推移している。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK