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メルケル細胞がんの適応で抗PD-L1抗体「アベルマブ」承認申請-メルクとファイザー

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2017年03月09日 PM01:15

承認された治療薬がない、悪性度の高い希少な皮膚がん

メルクセローノ株式会社は3月7日、 ファイザー株式会社と共同開発を行っている抗PDL1抗体「アベルマブ(遺伝子組換え)」について、「根治切除不能なメルケル細胞癌」の効能・効果で厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。

メルケル細胞がんは、治療選択肢が限られている悪性度の高い皮膚がんの一種。日本における患者数は100人に満たないと推定されている希少ながんだ。皮膚の神経内分泌腫瘍または索状がんとも呼ばれ、頭頸部や腕などの日光への曝露が多い部位の皮膚に発生する。非常に進行が早く予後不良のがんでありながら、現在までに承認された治療薬がなく、有効な治療法が望まれていた。

アベルマブは、開発中の完全ヒト型抗PD-L1抗体。PD-L1の作用を抑制することにより、T細胞と適応免疫系を活性化する。同剤は、抗体中のFc領域を改変していないため、自然免疫系に作用することにより、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発すると考えられている。2016年12月には厚生労働省から、メルケル細胞がんに対して希少疾病用医薬品()の指定を受けている。

日本も参加した第2相臨床試験で有効性と安全性を確認

今回の承認申請およびオーファン指定は、少なくとも1種類の化学療法を行った後に進行した転移性メルケル細胞がん患者88例を対象とした、単一群の多施設共同第2相非盲検試験「JAVELIN Merkel 200」の結果に基づくもの。同試験には日本も参加している。

同試験の結果、事前に規定した一次解析により、二次治療もしくはそれ以降の治療としてアベルマブの投与を受けたメルケル細胞がん患者において、31.8%の奏効率(95.9%CI:21.9-43.1%)が認められたという。安全性に関しては、疲労や注射に伴う反応を含む薬剤関連有害事象が、88例中62例(70%)で認められた。グレード3の有害事象は88例中4 例で5件報告され、うち2例にリンパ球減少が、3例に単独の臨床所見異常が認められた。グレード4の薬剤関連有害事象または死亡例は認められなかったという。

同剤に対しては、)が2016年10月、転移性メルケル細胞がんを予定適応症として販売承認申請の審査を開始。また、米国食品医薬品局()も2016年11月、同剤の生物学的製剤承認申請を受理し、 の優先承認審査品目に指定して審査している。

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