DPP-4阻害剤サキサグリプチンと、SGLT2阻害剤ダパグリフロジンの配合剤
英国のアストラゼネカは2月28日、Qtern錠(SGLT2阻害剤ダパグリフロジン10mgとDPP-4阻害剤サキサグリプチン5mgの固定用量配合剤、1日1回服用)の2型糖尿病治療薬としての承認を、米国食品医薬品局(FDA)より取得したことを発表した。
Qtern錠は、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤であるダパグリフロジンと、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害剤であるサキサグリプチンの、2つの作用機序の異なる糖尿病治療薬の配合剤。ダパグリフロジン10mgでの単剤治療を受けているにも関わらず、血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者、もしくはすでにダパグリフロジンとサキサグリプチンの併用治療を受けている2型糖尿病患者の血糖値の改善を適応としており、食事・運動療法と併せて用いることで効果が期待されるという。
新たな経口治療薬オプションとして血糖コントロールに貢献
ダパグリフロジンを含むSGLT2阻害剤は、腎臓においてグルコースの再吸収を阻害することにより尿と共にグルコースを体外に排出し、血糖コントロールを改善する。SGLT2阻害剤およびDPP-4阻害剤は、血糖値の指標であるHbA1c値を低下させる。
今回のFDAの承認は、メトホルミン(≧1,500mg/日)での治療では血糖コントロールが不十分な成人2型糖尿病患者に、ダパグリフロジンとサキサグリプチンでの治療を追加した場合の有効性と安全性を評価した、24週間の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験(n=315)にて得られたデータに基づいている。ダパグリフロジンとサキサグリプチンの併用療法の安全性は、54週目までのプラセボ対照第3相試験3つを統合した安全性分析(n=1,169、うち492がQtern対照)によって評価されたという。
同社によると、2型糖尿病は複雑な疾患で、その患者数は増加傾向にあり、米国だけでも2,900万人以上の人々の生活を脅かしている。今回のQtern錠の承認は、SGLT2阻害剤にDPP-4阻害剤を加えることによって血糖コントロールの改善が見込まれる患者にとって、1日1回服用の便利な錠剤で併用療法を受けられるものとなるとしている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース