患者のための薬局ビジョンに示されたかかりつけ薬剤師・薬局機能については、KPIを活用したPDCAサイクルの実施に対応するため、経済・財政再生アクションプランで医薬分業の質を評価できるKPIが定められていることに言及。その一つとして、かかりつけ薬剤師としての役割を発揮できる薬剤師を配置している薬局数について、現在検討を進めていることを説明した。
評価指標の客観性や継続性、薬剤師の本質的な取り組みをきちんと評価できるかどうかなどを踏まえ、辺見氏は「薬局数を一つの指標で評価できるのか議論があるところだが、実際の検討では3~4項目の評価指標が必要と考えている」との方向性を示し、具体的な評価指標案を今月にも公表したい考えを示した。
その上で、かかりつけ機能を発揮する薬剤師のいる薬局数のKPIを設定した場合、かかりつけ薬剤師の配置状況についてデータを把握することが必要になるため、「その方法として、薬局機能情報提供制度の項目を活用することにより、把握していくことを一つの案として検討したい」との考えを提示。システム改修が必要になった場合の協力を要請する一方、「われわれも都道府県の作業を考慮し、早めの対応をしていきたい」と語った。
また、昨年10月から都道府県での届出がスタートした健康サポート薬局について、1月末時点の届出数が34都道府県152軒に上ったことを報告した。辺見氏は「全体の届出数もあるが、できるだけ全ての自治体で健康サポート薬局の届出が1軒でも始まることが大事」と強調し、健康サポート薬局の届出があった場合の対応を要請した。
C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が日本で初めて流通した事件にも言及。薬局の管理薬剤師には医薬品の管理義務があるにもかかわらず、外箱から取り出されて裸のボトル状態の偽造品が流通し、薬剤師による調剤が行われ患者の手に渡ったことに遺憾の意を示し、「薬局ビジョンでは、対物業務から対人業務へという方向性が示されたが、物の安全あってこその対人業務になる。2月の通知の趣旨は、改めて物の管理の重要性を認識してほしいということ」と訴えた。